ハステロイ

    

弊社はハステロイの加工経験を多く持っています。ハステロイは、耐熱性や耐食性などに優れ、化学プラントや宇宙航空機器、圧力計など様々な分野で活用されています。難削材としても知られ、精度よく加工するには経験に基づき工具寿命の管理をしっかり行う必要があります。

ハステロイ切削加工1
ハステロイ切削加工2
ハステロイ切削加工3

ハステロイの性質

ハステロイはニッケルを主体とし、モリブデンやクロムをなどが添加されたニッケル合金であり、この名称はアメリカのヘインズ社の商標です。ハステロイに含まれるモリブデンやクロム、鉄などの成分量の違いで、ハステロイB、ハステロイC、ハステロイX系などがあります。このようにハステロイという名称であっても添加物の種類や含有量によって、名称は変わってくるのです。

ハステロイは耐酸化性に優れています。沸騰した塩酸や比酸化性の酸や塩類にも腐食されにくい特徴があり、素材の内部に孔上に腐食が生じる孔食性にも耐性があります。さらに高温の硫酸やリン酸でも耐食性が損なわれにくいです。また、高い耐熱性も高いことから腐食性の環境や高温環境の使用に向いています。

このようにハステロイは高温環境や腐食環境には耐性があります。しかし、機械的負荷が強くかかる箇所には向きません。ハステロイは物理的強度やクリープ強度、疲労強さは特別秀でた特徴を持っていないからです。そのため、常に高い圧力や力が生じるような構造材には適していません。

ハステロイ切削加工4
ハステロイ切削加工5
ハステロイ切削加工6

ハステロイの活用事例

ハステロイは耐熱性や耐食性、耐酸化性と優れた特性を持ちます。そのため、超高温域や厳しい腐食環境である場面において活用されています。しかし、その合金の種類によって用途は異なります。
具体的にはハステロイXはガスタービンエンジンや、工業炉、化学プラントの材料として用いられます。これらの部材には高温化においても高い強度、耐酸化性、応力腐食割れに強い特性を持つ材料が求められるためです。
ハステロイB-2は塩酸に対する強い耐腐食性を有しおり、塩酸を扱う設備に用いられています。その他にも、ハステロイC-22は化学プラント用の反応器や熱交換機などに活用されています。薬品を扱う設備では、強い耐酸化性が必要だからです。また、高い強度と高温にさらされる厳しい腐食環境の場合には、ハステロイC-276が用いられています。
このようにハステロイは、優れた材料特性を持つため数百度以上の高温環境や、化学プラント、発電施設などの特殊環境において高い需要があるのです。

ハステロイが難削材である理由

ハステロイは材料として優れた特性を持ちます。一方で優れた特性を持つからこそハステロイは加工の難しい素材です。

ハステロイの加工が難しい理由は、高温強度が高い、加工硬化が生じやすい、熱伝導率が悪い、工具との親和性が高いことなどが挙げられます。そのため、精度よく加工するには加工条件を適切に設定し、慎重に加工しなければなりません。
ハステロイは高強度であるため、切削抵抗が高く工具の摩耗が生じやすいです。さらに熱伝導率も低く加工中に発生する熱が冷めにくいです。そのため切削工具の刃が熱によるダメージを受け工具の寿命が短くなり、加工コストが上昇してしまいます。

ハステロイ切削加工7

また、ハステロイは工具と高い親和性を持ちます。そのため、切削した材料が工具に付着やすく切削抵抗が上がります。そのため、仕上げ面が悪化します。さらに加工硬化しやすいため、工具のチッピングや仕上げ面が荒れるなどと加工が困難です。

このようにハステロイは加工性が悪い材料です。高い精度でハステロイを加工するには、長年蓄積してきた適切な工具選びや加工条件などのノウハウが欠かせません。

高トルク主軸、高圧クーラント(7Mpa)、冷却性の高い油剤、難削材加工の本場の海外メーカー工具を採用することにより
高速加工を実現し、加工時間の短縮も可能にしています。
弊社は、ハステロイBをはじめ、ハステロイC、ハステロイXなど、豊富な加工実績があり、ハステロイの切削加工に関して多くの経験と技術を持っています。ハステロイの加工はユニバーサルにお任せください。